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2024年05月03日

大吉原展に行った話

tenji 3/26-5/19まで東京藝術大学大学美術館で開催中の「大吉原展」に行ってきました。面白かったです。
普段は展示会の感想はあっさりするようにしているのですが「大吉原展」は開催前に炎上したことで、私が普段見ている展示会一覧から抜けていたため危うく見逃すところで少し怒っていて今回は私の怒りが収まるまでになります。結局観れたので吉原は炎上するものと思ってそんなには怒っていないです。あと家具のことは出ません。
ちなみに展示では高橋由一作の小稲花魁の肖像画が似てなくて小稲花魁が泣いて怒った話がちょっと面白かったです。

炎上した理由は大雑把にいうと「遊郭の被害者側の視点が抜けている。楽しい場所として展示している」ということでした。他には「遊郭が性売春をしていることをぼかしている」とか「大学でやる必要がある展示か」とか色々言ってましたが、ジャニーズみたいな件が続いたので共感されやすいと思ったんですかね。批判は観賞が終わった後にしてほしかった。

前提として鬼滅の刃の遊郭編が流行ったことで世界的にも子供にも吉原と遊郭という存在が知れています。また少年漫画には今も落語漫画があるように、落語は定期的に流行るため遊郭舞台の廓話は当然出てきます。

吉原は遊園地のように書かれていると批判していましたが、まともな大人が共通了解として吉原を知らないわけがないんですよ。上野に来て藝大美術館に2000円払ってくる人の中に吉原を後楽園ホールのようなものだと思って来ていてその中の美術を観たいと思った人がどれぐらいいるのか。本当に驕慢だなと感じます。 ただ私を含め吉原の歴史についてしっかり知っている大人が少ないのではと感じました。少なくても私は永年落語聞いていたせいか勘違いしている部分はかなりありました。「なんで政府公認なの」とか「内部はどういう法律があったの」とか「客の職業はいつ変わったの」「なんで場所移動になったの」とか「なんでよく火事が起こったの」「いつからいつまであったの」とか正しく外国人や子供に説明できる大人はどれぐらいいるのかと考えるとそんなに多くないのではと思いました。当時の美術品を基にした説明で吉原を説明するなら藝大でやる意味しかない思っていますし、展示は美術品の解説で、展示を観れば吉原の文化が江戸文化にどれほど大きく影響しているかわかります。ちなみに被害者としての女性の主観は描かれていない代わりに役所に提出された書状などはありましたが、外国人に人気があるという春画はでてきません。

「国際化」なんて当たり前すぎて今となっては古い言葉かもしれませんが国際化って外国語を喋れて海外の文化をよく知っていることなんですかね。私はそれも含んでいるとは思いますが、それは方法で、日本人がしなくてはいけないのは日本の文化をよく知ることではないかと思っています。
私は浅草によくいるので、寺と神社で参拝方法が違うことを知っていることより、神仏習合の歴史と何に拝んでいるのかを説明できたたうえで気にしなくていいと言えたり、和服の着付けをできることより柄の格や季節感、着る人の年齢による適したおススメや、振袖に半幅を合わせてはいけないと店員に言える方が価値があると思っているし、日本酒をブラインドで当てることより米と酵母と製法、他の酒と何が違うのか説明できて近くで生酒を飲める場所を教えられる方が価値があると思っています。少しすっきりしたので今回はこんなところで。tenji2

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